遺品整理・形見分けのための宝石鑑別
春日部からご来店頂いたお客様からのオーダー !!
「形見分けのために、この石鑑別してもらえますか?」
春日部ってあの埼玉県の春日部ですか?
ここ東京の端っこなのですが。
恐縮です。
形見分け
人の近親者や友人などに対し、故人が愛用していた、または思い出の詰まった品などを「形見(思い出の品)」として分配し、品物を通して故人を偲ぶこと。
現金に有価証券、そして不動産。
いわゆる財産と言われるもの。
この財産をもっている方の多数は、宝石・貴金属も多数お持ちです。
伊勢で買った真珠。山梨でお土産として購入した水晶。金で製作されたオリンピックの記念メダル。
そして、ダイヤにサファイヤ、エメラルド etc。
有価証券・不動産をお持ちの方でございますので、当然かもしれません。
残された物の再利用
- 伊勢で買った真珠は、洗浄して留め具交換+糸交換を行い、改め真珠ネックレスにいたします。
- 山梨で購入した水晶のネックレスは、片手念珠にいたします。女性用ならば2本製作できます。
- 金で製作されたオリンピックの記念メダル = 地金物は、グラムいくらという形で換金できます。
ダイヤモンドは鑑定書を作成し、どの位のクオリティーのダイヤかハッキリさせる事が出来ます。
4C = カラット(重さ)、カラー(色)、クラリティ(透明度)、カット(プロポーション)を判定し、価値を確定・認識できます。
その上で、リング・ペンダントに作り直し、お嫁様・お嬢様・お孫様・兄弟の誰かが引き継ぐ。
当店で行う遺品整理・形見分けの代表例でございます。
ではカラーストーンは どうする?
フェイクの多いカラーストーン
数十年も昔の話でございますが、合成ルビー・合成サファイヤなど、「ルビー・サファイヤです」と平気で販売している業者が多数存在いたしました。
「合成」を取って「ルビー・サファイヤ」と表現する。
これ、これは不正ではございません。
理由は、規制・取り決めが存在していなかったためです。
緩かったと表現できます。
私の母も、青い合成石の付いた18金製指輪を、地元地域一番店からサファイヤリングを買ったと喜んで居りました。
息子であり、宝石業界に35年以上過ごした私からすれば、枠は18金なので価値はありますが、合成石はいわゆる “パチモノ” = 偽物以外の何物でもないのですが。
しかし、私の母の世代で宝石を購入する。できる。 = セレブという感覚もあったと思います。
物品税という税金を払ってまで購入するのですから、それはやはり贅沢品と言えます。
しかし、引き継ぐ・受け継ぐ者としては
- 本物のカラーストーン = 価値のある物なら良いが、偽物では・・・。
- いやいや、安物のガラス石でもプライスレスな物。大切にしたい。
どちらの考えも理解できます。
よって、しかるべき機関の機械による、数値によっての鑑別が白黒ハッキリさせる唯一無二の方法。
鑑別書の一つ手前のソーティング
埼玉県・春日部から、はるばる東京の端っこにある当店にご来店頂きました。
途中、渋滞に巻き込まれながら数時間かけてご来店頂きました。
埼玉県ならば、”大宮” という高島屋などがある大きな街がございますのに、小田急線・各駅停車しか停まらない小さな街の小さな店にご来店頂きました。
誠に恐縮です。
大宮駅に行けばそこそこの店もあるかと思います。高島屋がある位の街ですから。
経営者としても、技術者としても、感無量でございます。
結果、天然オパールと天然ファイヤーオパールという鑑別結果となりました。
オパールはもちろんとして、天然ファイヤーオパールは希少価値のある石です。
物によっては、数十万・数百万で取引されるカラーストーンでございます。
「おめでとうございます」
で、ございます。
ソーティングメモから鑑別書へ
下画像をご覧くださいませ。
当店在庫のアクアマリンの鑑別書でございます。
鑑別結果をカバーまでつけて、仰々しく ? したものです。
ビニール袋に印字されたものがソーティングメモ。
我々は数十万するカラーストーンをお客様に購入して頂きます。
その時、ソーティングメモでは “しょぼい” となります。
価値のあるカラーストーンまで、しょぼく見られては本末転倒。
よって、付加価値をつけるため、鑑別書を用意して、「このようにしっかりした鑑別書が付いている、価値のあるカラーストーンでございます」と営業トークいたします。
鑑別結果としては同じものなのですが、ソーティングメモでは、その営業トークは通用しないからです。
しかし、身内だけの中での形見分けの場合、ソーティングメモで十分と考え、鑑別書作成までしないお客様が大半です。
費用も数千円という安価で作成できるソーティングメモ。
「これでいい ♪」となります。
注意点・ご承諾ポイント
安価と言っても数千円の費用がかかります。
こちらのお客様のように「天然ファイヤーオパール」と鑑別結果がでれば、場万歳。
しかし、アクリルやガラスなど数十円、数百円という価値しかない鑑別結果となることもございます。
どのような結果となろうと、数千円の費用は掛かります。
現に、この度のお客様に私申し上げました「どのような鑑別結果でも恨みっこなしですよ」と。
お客様、笑っていました。
誠、懐の深いお客様。
では、なぜ目視で鑑別できないか ?
ダイヤモンドまでが人工で作れる昨今。
我々が使用している×10倍率のルーペで石を見て鑑別するなどナンセンス。
フェイク品の技術も桁違いで向上している令和という時代です。
金塊、インゴットのフェイクの話となりますが、例えばインゴットの中に、タン〇ス〇ンという金属を入れる。
外側は24金にして、中身のあんこの部分を上記の金属にいたしますと、X線検査をしても金と判別してしまう事例がございます。
いわゆるプロを喰う詐欺師が、機械を騙すフェイクを作ります。
X線検査まですり抜ける場合がある訳ですから、数万円の×10倍率のルーペなど意味をなしません。
よって、鑑別のご依頼の場合は、しかるべき機関で、それ相応の機械によって、数値などで白黒ハッキリつける。
これ、一択でございます。
もちろん、見るからに「これガラスだ」と思えるようなものであれば、「失礼ですが、いわゆる宝石では無いと存じますが」とお話し致します。
しかし、世の中では白黒ハッキリさせない方が良い場合もございますね。
金銭的価値観よりも、愛・情 という心を大切にする。
また、人生や男女間などの場合でもございますよね。
最後に
私にも90歳を超えた母が居ります。
まだ、私を息子である事だけは認識しておりますが、その他の事は・・・。
友人・知人と会えば「要介護」「ボケた」「老人ホーム凄く高いよ」などは、お約束の言葉。
大切な人、愛する者が残したもの。
その全てを引き継ぎ、継承することは不可能な場合もございます。
相続税のために土地を売る。など耳にするワードですね。
しかるべき者が、故人のものを受け継ぎ、引き継ぐ。
その際には、その為には、白黒ハッキリつけなければならない。
いや、つける必要がある。
そうであれば、私にご相談くださいませ。
お客様のご要望に最善・最適を提供致します。
バックいっぱいに詰まったアクセサリー類から、宝石・貴金属を全て仕分けすることも多々ございます。
二時間はかかる重労働? でございます。
しかし、遺品整理・形見分けのため鑑別業務といたしまして、真摯にご対応致します。
過去をきちんと整理して、現在を生きる。
そして、未来へ進む者達に受け継ぎ・引き継ぐ。
そんな仕事でお役に立てたら幸せと、本気で思っている今日この頃。
ご相談くださいませ。
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