指輪をリフォームして2つの指輪を製作_アメシスト&メキシコオパール
「祖母の残したこの指輪を分解して
メキシコオパールを18金で製作頂き
ハートシェイプのダイヤとアメシストを足して
もうひとつプラチナで指輪を作って頂けますか?」
御意。
メキシコオパールの石座をつぶさず、新しい指輪に作り変える
4キャラットを超える大粒でとても美しいメキシコオパール。
この素敵な指輪、もう一つ素敵な細工がございます。
なんと、石座の底の部分がハート型に切り抜かれております !!
職人がハート型に切り抜いたとお見受けいたしました。
ハンドメイド・オーダー製作です。
メキシコオパールを上から覗きこみますと
なんとハートがメキシコオパールの中に浮かんで見えます。
凄い ! 凄すぎ ♪
脇石のハートシェイプダイヤ、2ピースで楽に1.5キャラットオーバー
適切な表現かはわかりませんが
このハートシェイプのダイヤ
なんとも肉厚。
おばあ様がリカットさせて、こしらえたというハートシェイプのダイヤ。
ラウンドブリリアントカット = 58面体のダイヤをハートシェイプにカットいたしますと、歩留まりが悪い = 削り落とし廃棄する部分が多くなる。
ざっくり雑に申しますと、そこそこ大きい58面体のラウンドブリリアントカットのダイヤを、ハートシェイプにリカットいたしますと、かなり小さくなります。
とてもとても小さくなります。
決してお安くないダイヤのリカット代金を支払い、オリジナルの状態よりダイヤがかなり小さくなる作業。
コスパ考えたら・・・。
ま、普通やりませんが、それをした。実行した。
なんと表現したらわかりませんが、粋 なのか いなせ なのか 。
いや、贅沢。
贅沢の極みなのか。
よくわかりませんが、凄い ! 素敵 ♪
ま、宝飾品にコスパなど求める方が野暮かと存じます。
なんせ 富 の象徴でもある 宝石・貴金属なのですから。
改め、お客様のおばあ様に敬意を表しまして、「そうしたかったから、した」そうお見受けいたしました。
いや、"強い想い" 愛 それがあった。と、言ってよいのかもしれません。
しかし、リカットしても2ピースで1.5キャラットアップ。
いったい元のダイヤのキャラット数はどの位なのか? とても気になります。
石座と指輪の腕部分を切断・分解・仕分け
メキシコオパールとハートシェイプダイヤを外し、切断分解いたします。
綺麗に切断する事が必須となります。
オリジナルの石座に、間違ってもダメージ与えたら取り返しのつかない状態となります。
※イメージ画像
ほんと 匠。
指輪の台座部分から下を製作いたします。
4キャラット超えるとても大きなメキシコオパール。
よって、枠全体に18金をたっぷり使用して枠を製作いたします。
高値爆進中の金ですが、臆することなく使用いたしました。
もうひとつ、お客様のお手、指の表情がとてもボリュームのある指輪がお似合いとお見受けいたしましたので、遠慮も躊躇もせず製作いたしました。
残る作業は、合体・石留め
完成品、ご覧くださいませ ♪
ハート見えます ?
撮影が下手てすみません。
オリジナルの石座が厚い = 深いので、腕を二段構造にして、上に飛び出る感をなるべく感じさせないデザインにいたしました。
腕を二つに割りました。
Yの字にして、ボリュームはあるが
野暮ったくない感じにいたしました。
枠の厚さ、かなりですよね ?
しかし、お客様が指にはめられると、何の違和感もございません。
ひとさし指に大粒のメキシコオパール。
おばあ様も 粋 なら、お孫様でもあるお客様も 粋 とても素敵 ♪
石座は親愛なるおばあ様の 氣・想いが詰まった いにしえ の もの。
台座から下 = 腕の部分は、当店がお客様のお手、指 の表情を考慮して製作した 18金大盛りのプレーン且つ豪華仕様。
過ぎ去っていった過去が、現在と融合いたしました ♪
お客様の お手・お身体で ひとつ となりました。
お客様の誕生石のアメシスト + ハートシェイプダイヤでプラチナ製指輪の製作
お客様に「このアメシストでよろしければ差し上げます ♪」なんて、私、調子ぶっこいちゃいました。
同時に二本のオーダー注文を頂いたもので、すっかり気分が良くなっていたのかもしれません。
単細胞なのでしょう。
しかし、その発言をした直後後悔いたしました。
私がプレゼントすると言ったアメシスト、なんとも小さい。
大粒のメキシコオパールを違和感なくつけるお客様にはなんとも小さい。
ぶっちゃけますと "しょぼい" の一言。
「念のため、アメシストルース、3~4ピース別途ご用意いたしますので、お手数ですがそれらをご覧頂き使用する石を決定いたしましょう」と訂正いたしました。
石合わせ
大きさの異なるアメシストルースを 大 中 小 という感じでご用意いたしました。
ハートシェイプダイヤと並べて見ます。
お客様が選ばれたのは 中 。
そりゃそうですよね。
アメシストも決定いたしましたので、後は粛々と製作するだけです。
メキシコオパールの時とは違い、ゼロからの製作なので気が楽です。
家でもそうですけど、増築・改築って手間がかかります。
全部潰してまっさらにしてからの方が楽と、耳にいたしました。
ものづくり全般に言える事かと存じます。
まして、唯一無二の品、貴重な物でございましたら、「手がすべりました」ではすまされません。
お客様との意思疎通はもちろんの事、信頼関係が短い時間の中で構築されたと、そう感じられなければとても行えません。
- 作り手はリスク高すぎる。手間がかかりすぎる。
- お客様は、この人に唯一無二のプライスレスな品を託して大丈夫 ?
双方、そのように感じたのなら進みませんし、成立いたしませんよね。
偉そうな言い方で恐縮ですが、お客様と作り手が同じ想いを感じられた。
価値観・気持ちがシンクロしたから成立した。
ゆえに契約締結したと思っております。
右手・くすり指に普段使い用としての製作
ハートシェイプダイヤとアメシストルース、とてもバランス取れたと思います。
ハートシェイプダイヤが厚い = 高さがあるので、台座を2段にいたしました。
ハートシェイプダイヤの座と指輪の腕部分の結合部を絞りました。
プラチナ900をたっぷりと使用。
ハートシェイプダイヤの石座の下、ハートっぽく見えますか ?
素敵ですね ♪
仕事を終えて
孫であるお客様がおばあ様の残した もの を継承する。有効活用する。
もっと言えば ひとつ になろうとする。
言うは簡単ですがそれ相応の対価が必要となります。
また、エネルギーも必要となります。
残したおばあ様は、石座をハートに切り抜くは、ダイヤをリカットしてハートシェイプダイヤにするは、やはり凄い。
美的センスが凄い。やはり 粋 とも表現できます。
なんと言っても4キャラット超える美しいメキシコオパールを保有し、尚且つ、子に渡し。
そして孫に継承された。
まさに 家宝 ですね。素敵ですね。
渡された・継承した孫はそれを活用しようとし、対価とエネルギーを使う。
"対価とエネルギー" その源はやはり 愛 なんですね。
軽い興奮を覚え。真っすぐな 愛 を感じたこの度のご依頼。
誠にありがとうございました。
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