念珠にリフォーム インカローズ マラカイトで製作

府中市からご来店頂きました。

「祖母の形見のこのネックレスを念珠にして

子供たちに渡したい」

 

との事。


という事は、お客様は孫であり、孫であるお客様の子供たちは、ひ孫となる。

凄い ! ヨーロッパの貴族みたいな継承。

 

喜んで !!

 

50年以上前と思われる天然石とは思えないコンディション

リピーターであるお客様のお母さまの年齢を推測いたしますと、70代後半から80代かと存じます。

ばあちゃん = 70代後半から80代のお母さまのお母さま。

という事は ? 間違いなく50年以上前に購入されたと思います。

なのに、ご覧くださいませ。

擦れも無ければ、剥離もございまん。

しっとり濡れたような、美しい輝きです。

 

マラカイトもご覧くださいませ。


保湿されたテリのある状態です。

 

信じられない !

保管方法がよかったのか ?

未使用なのか ?

デリケートな石 インカローズとマラカイト

私、このインカローズとマラカイトをゲップがでるほど販売し、ネックレス+ブレスレットを製作いたしました。

20年位前になりますが、あるデパートのアクセサリー売り場にて数年にわたりイベントを行っておりました。

イベント内容は、半貴石・天然石をルース状態で購入して頂き、お客様の目の前でネックレス・ブレスレット・ピアス etc を製作するという内容です。

 

お客様が購入した半貴石・天然石のルースがお買い物している間にネックレス・ブレスレットに変身 !!

うけました! 売れました!! 10時にオープンして昼ご飯を食べるのが3時過ぎ、なんて状態も。

 

そんな状態での稼ぎ頭がインカローズでした。マラカイトでした。

 

特にインカローズは売れました。それも高額なものがです。

 

おかげさまで借金を短期間で返済できました。


前ふりが長くなりましたが、数年にわたりイベントを行っておりますとリピーターが増えます。

 

「こちらで購入したインカローズ、とても気に入っています。今日は違う石を購入しにきました」

 

なんて、お得意様が多数ご来店頂けるようになりました。

 

そのようなお客様の中で、ブレスレットにしたお客様のインカローズを拝見すると、白っぽくかさついたインカローズ多々ございました。

購入頂いて2年も経っていないのにです。

 

特に、水晶・メノウなどのブレスレットとインカローズのブレスレットの重ね付けを多用しているお客様のインカローズのブレスレットは、アレレ ? というような状態になっている事も少なくありませんでした。

マラカイトもしかりです。

販売する時に必ずインカローズ・マラカイトはデリケートな石なので、硬い石との重ね付けはNGと伝えていたのですが・・・。

 

珠ズレ してしまい バラ色が しらっちゃけ かさついて しまったのです。

 

モース硬度の高い石、にモース硬度の低い石は やられる です。

 

主に鉱物に対する硬度の尺度の1つ。

10種類の標準鉱物とそれぞれに対応する1から10までの整数値を定め、どの標準鉱物で引っかいた時に傷がつくかでモース硬度を定める。

例えば、蛍石(硬度4)で引っかくと傷がつかず、燐灰石(硬度5)で引っかくと傷がつく鉱物は4と5の中間の値であるモース硬度4.5とする。

モース硬度が定めるのは「あるものでひっかいたときの傷のつきにくさ(引っかき硬度)」であり、「たたいて壊れるかどうか(靱性)」といった性質とは異なる。

実際、モース硬度が最高のダイヤモンドは衝撃には弱く、ハンマーなどである一定の方向からたたくことで容易に砕ける。

 

ローレックスの時計とマラカイトのブレスレットを重ね付けしているお客様などは、丸いはずのマラカイトが削れて瓢箪のようになってしまった。

 

なんてケースもございました。


長くなりましたが、インカローズ・マラカイトはとてもデリケートな石という事を、体験談でお伝えしたかった次第です。


なのにこのクオリティーを維持しているのは、信じられません。

 

インカローズの種類

下画像ご覧くださいませ。

色はやや淡いですが綺麗ですね。

しかし、ふ と申しますか、白い部分が多いですね。

 

お客様のお持ち込みのインカローズ。


白い ふ がほぼ無く、色もバッチリ入っていて、しっとり濡れたような状態てす。

 

どちらもインカローズですが、お客様の持ち込みされたインカローズの方が良質・高額品となります。

 

好みの問題で、白い ふ が素敵 ♪ 好き♡ なんてお客様も多数いらっしゃいます。

 

高い方が良い !!  ということでは無く、私が20年前よく販売していたインカローズは、まさにお客様のばあちゃんのインカローズです。

 

懐かしい。

 

完成品ご覧くださいませ。

作り手より

街の仏具店に行って「インカローズの念珠ください」「マラカイトの念珠ください」と言っても、まー在庫として持っている店はあまりないかと存じます。

まさにレア。

また、孫であるお客様がばあちゃんの残したものであるインカローズとマラカイトのネックレスを念珠にして、子供たちに渡す。継承する。

ばあちゃんの もの が ひ孫達へ。

 

過去が未来達に引き継がれる。

 

素敵ですね ♪ 素敵すぎますね ♪

 

この度のご依頼で、私、ばあちゃんに手を引かれ、田んぼの横の舗装されていない砂利道を、歩いている自分を思い出しました。

 

とてもよい気持ちになりました。

とても満たされたような気分になりました。

 

あらため、このような素敵な仕事をさせて頂いたこと。

また、信頼頂きお任せいただいたことに、感謝申し上げます。

 

お客様一族のますますのご繁栄と、このたびのインカローズ・マラカイトの念珠が家宝・守り石となりますと事、お祈り申し上げます。

 

ありがとうございました。

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