チタンピアス ポスト ~皮膚に優しく・身体に優しい材質~
世田谷区からご来店のお客様のオーダー。
「いまいち耳の状態が良くないので、チタンでピアスつくれませんか?」
御意 !!
金属アレルギーの方・皮膚のデリケートの方にはチタンが良い ?
お得意様が12月に耳に穴をあけてから4カ月経過しても、いまいち経過が良くないとの事。
しかし、やはり女性。
お洒落したいし、ジュエリーも大好き。
という事で、チタンでピアスを作る事になりました。
ジュエリーパーツメーカーに電話して、「訓練用に使用するチタンのピアスありますか?」と問い合わせ。
ロー付け用と、真珠・珊瑚などの直結接着用しかないとの事。
お客様と相談の上、上記の直結用のチタンポストに真珠の小さいものを付けようと決定。
加工自体は真珠の穴の拡張と接着なので、なんちゃなし。
しかし、珠合わせ = ペア珠 の選別をしなければならない。
耳は2つ、よってピアスも2個、よって真珠もペアで用意しなければならない。
取引先に出向き、たくさんの真珠のルースの中から、色・テリ・大きさを合わす。
これが案外大変。
いや、めんどくさい。
おっと失礼。
お金に糸目をつけなければ、最初からペア珠専用として、真珠メーカー・問屋にストックされている。
よって「これちょうだい ♪」で 終了。
しかし、コストありき、いや、訓練用としてのピアスなので安価で提供したい。
よって取引先のお姉さまに頭を下げ、「この予算でペア珠を作って」と頭を下げる。
さすが毎日珠を扱っている真珠屋さん、手際よく2~3セットペア珠をわたくしの前に並べる。
色はあっても大きさ合わず。
大きさ合ってもテリが合わない。
テリ=真珠層が厚い珠は独特の光り方と色を出します |
そんなこんなをしばらく行っていると、大概ペア珠が出来上がってくる。
真珠屋さん=真珠卸問屋の在庫の量は凄い。
リューター = 専用ドリルで穴を拡張いたします。
このチタンポスト、線径が0.9mmです。
通常、街のジュエリーショップで販売されているピアスは0.7~0.75mmが多い。
ピアス 芯・ポスト交換 ~18金メキシコオパール~ >> |
仕入れた真珠は6.2mm。
しかし、当初の予定は6mm以下の珠を用意して、可愛く着けて頂く予定であった。
が、珠の受け皿が平らで大きい。
この皿の大きさだと、7mm以上いや、8mm以上が適切なサイズと思われる。
だが冠婚葬祭用ではなく、普段用に “可愛く” が心根。
しかし、この珠の大きさが限度。
これ以上小さい珠は無理。
耐久性確保のため、珠の下=芯が入る拡張した穴部分を丁寧にぺーパーで削る。
いつものようにヤスリでゴリゴリ削りたいところだが、真珠は有機物。
金・プラチナと違いそれは絶対NG。
真珠層を剥してしまう。
真珠の下部をじっくり削り、皿との接着面を作る。
なるべく接着面を広くしたい。
なんでこんな平らな皿を作るか、(・д・)チッ と言いたいところだが、チタンの加工=曲げ・溶接・削りは大変。
18金のようにいかないと、チタンを鋳造=キャストする工場の方と話した事を思い出す。
しかし、なんとも手間がかかる。
が、これも渡世の義理。
いゃ、お客様に対する 礼 気持ち。
最後はエポキシ接着剤でドッキング。
わたくし平成元年にこの業界に入って30年。
数えきれないほど、この手の作業はしてまいりました。
しかし、エポキシの匂いとこのネバネバ感には慣れない。
あ リトル 気分が悪くなる。
いや、気持ち 悪い。
一晩絶対安静にして凝固するのを待ちます。
バッチリ仕上がりました。
一言
これから気温が上がってまいりますと、肌のトラブルも多くなります。
ましてピアスは体内に入れるものなので、素性の悪いものは厳禁。
ホワイトゴールドのペンダント着用で赤いプツプツができる。
シルバーのネックレスでかゆみがおこる。
これからの時期に多くなります。
そういう方はチタン及びサージカルステンレス・セラミックスが良いと言われております。
しかし、ステンレスってわたくしみたいなオジサンは、”流し台”・台所・包丁を連想してしまい、とてもジュエリーの素材とは・・・。
お洒落したい。
でも、皮膚が・・・。
そんな方は “チタン”のパーツを使った、チタンピアス。
良いと存じます。
真珠以外にも、ラピス・珊瑚・ヒスイ・琥珀etc、方穴の丸い珠ならなんとかなります。
また、ロー付け用のチタンピアスポストなら、もっと製作の幅は広がることと存じます。
あきらめないで、お洒落してくださいね ♪
微力ながら、我が腕を振るいます。
但し、お医者さんと相談しながらは、忘れずに。
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